大活躍の亀太郎

 亀太郎が海帝宮殿へ帰ってきてから,20年が過ぎました。

 海の底に立派な建物がいっぱい並んでいるので,すっかり様子が変って。

 海の底までは、何千メートルもあります。何百階という建物もあります。高層建築は海底の海抜-6000メーターや-5000メーターの所に立っていますので海面に届くことはありません。

 これを造るために建材をどうしたのでしょう。

 それは簡単な事です。地上にあるありとあらゆる物質が海水の中に溶け込んでいるのです。それを取り出せばいろいろな事に使えるのです。

 酸素や水素はもとより、鉄でも銅でも金でも銀でも、地上の加工品セメントのような物質も海水の中から取り出すことが出来ます。  地上では国際紛争の元になっているレアメタルも大量に取り出すことが出来ます。海帝国の大臣の中にはこれを地上の国へ輸出してはどうかという意見も出ましたが、紛争ばかりしている地上の国と交流しても世界中平和に統一されている海帝国には何のメリットもない。むしろ欲に目が眩んだ連中が海帝国を侵略するのではないか。と言って反対する意見が出て、輸出の話はなくなりました。

 尤も、地上の人々がいくら頑張っても海底5000メートルや6000メートルにある海帝国を攻撃することは出来ないでしょう。

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