懐かしい出会い

  太郎が4人を連れてお爺さんの部屋へ行くと、お爺さんとお婆さんは一瞬驚いて、不思議な5人連れを見つめていました。

 すると突然、お婆さんが、犬の大二郎、猿の三津子、雉の貴一郎を、見つめて懐かしそうに「久しぶりだね、みんな元気にしていたのかい。」と言いました。

 すると3人は声をそろえて「お婆さんもお元気そうでなによりですね。」と答えました。

 すると猫の三四郎が、お爺さんにドイツ語で挨拶しました。「Guten Abent Ich bin sehr frohmit Inen zu treffen 」(今晩はお目にかかれて嬉しいです) と言うとお爺さんは「Ich auch wir haben gute zeit hoite Abent 」(私も同じだよ、今晩は楽しくやろうよ) と言って三四郎を強く抱きしめました。

 四人が驚いていると、お婆さんが説明しました。「お爺さんのご先祖はブレーメンにいて泥棒に取られた家を音楽隊の4人(猫と犬とロバと鶏)に、取り返して貰ってその後みんなで楽しい生活をしていたのですよ。三四郎さんはその時の猫の子孫でしょう。お爺さんの先祖は戦国時代に猫を連れて日本へ来て日本の女性と結婚して何百年も日本に居るわけだけれど、故郷はわすれられないのですよ。

 それから私が3人、犬の大二郎さん、猿の三津子さん、雉の貴一郎さんと心が通うのは、私は桃を川で拾ったお婆さんの子孫だからですよ。三人は、桃太郎と一緒に鬼ヶ島を征伐したときの、お供の子孫に間違いありません。だから一目見たとき解りましたよ。」と言って嬉しそうに笑いました。

 このお婆さんの説明を聞くとみんすっかり納得して、打ち解けて、楽しい晩餐会が始まりました。皆の楽しい会話は夜遅くまで続きました。

 それからは、お互いに行ったり来たりしながら楽しく平穏な日々が続いていました。

 もうすごお爺さんとお婆さんの新居が出来ると聞いて、5人は一寸寂しい気持ちになりました。

 お爺さんとお婆さんはその気持ちを察したのか「いつでも皆で遊びに来て下さい。」と言いました。

 そんなある日、黒いスーツを着た3人の屈強な男たちが、お爺さんの部屋の前に立ちました。そして乱暴にドアをたたいて「桃園伸介さんご在宅ですか」と大声を張り上げました。

 〈そこで何が起ったのでしょうか?次回をお楽しみに〉