その後のみんな

  夕陽の丘近くの、お爺さん・お婆さんの家で暮らしている太郎と四人の兄弟はみんな元気で楽しく暮らしています。

 雉の貴一郎と猫の三四郎はいつも自由に外へ出かけられますので、面白い話題を持って来てくれます。  犬の大二郎は広い庭に寝そべって暢気にしています太郎に時々散歩に連れ出して貰うのが何よりの楽しみです。  猿の三津子は毎日、お婆さんの手伝いで忙しく働いていますから外へ出ることはほとんど出来ません。せいぜい庭の柿の木に登ってみんなのために美味しく熟した柿を取ってくるぐらいがいい運動になる程度です。  三津子は時々「猫の手でも借りたくらいよ」と、一日中、あちこちを歩き回っている三四郎に冗談を言っています。

 お爺さんとお婆さん、太郎と雉の貴一郎・犬大二郎・猿の三津子・猫の三四郎達が暮らす家では、平和な楽しい日々がゆっくりと過ぎていました。