ター坊大得意

 ター坊は太郎に話しかけました「今日助けたのは、この前来た妹の礼子の友達のスミレだよ、お前に引っかかれて両親が、お前を処分しろと言って怒鳴り込んできたのを覚えているかい。あのときオヤジがきっぱり断ったので今日のようなときに働けたんだよ。警察からなんか賞状が出るかもしれないぞ。スミレの両親もお前の好物を持ってお礼を言いにくるだろう。」

 「お前も警察犬に採用されるかもしれないぞ、その時はどうするんだ。いろんな訓練があるそうだぞ.」

 などと言って、浮き浮きしてしゃべり続けるター坊の前を太郎は家へ向かって黙って歩いていました。

 太郎は何を考えているのでしょう。

 久しぶりに散歩に連れ出して貰ったので。今日のご飯は美味しいぞ、ゆっくり眠れるぞとでも考えているのでしょうか。

 それは、それは夕陽が綺麗な夕方でした。