隣人がやって来た

    そんな事があって暫くしたころ、太郎の隣の部屋に品の良いお爺さんとお婆さんが引っ越してきました。

 挨拶に来たお爺さんは、ニコニコしながら言いました。「今度家を建て替えるので、できあがるまでここでご厄介になります。いつでも気軽に遊びに来て下さい。お近づきの印に今晩夕食に来て頂けませんか」と誘いました。そこで太郎は「実は私の他に四人の家族がいるのですが、一緒にお邪魔しても良いでしょうか」と聞くと、お爺さんは「勿論大歓迎ですよ。皆様ご一緒においで下さい。婆さんは料理自慢ですから、皆様にご満足頂けると思いますよ。」と言ってニッコリ笑いました。

 部屋の隅に隠れてその話を聞いていた4人は、どうしますかと太郎に尋ねました。

 すると太郎は「ご招待だ、家族全員で行ってお近づきになればいいよ」と言ってみんなを見回しました。

 4人は一寸ためらいましたが、三四郎が「あのお爺さんは、知っているような気がするから悪い人ではないよ。」と言うって3人を促します。

 そこで兎も角、ご招待を受けようと言うことになりました。