え、兎田係長が栄転!

  暫くして、兎田係長は専務に呼ばれました。

 係長が、緊張して役員室へ行くと専務は「兎田君、君の所の営業成績は抜群だ。そこで今、低迷している神戸支店の責任者として神戸へいてもらいたい。君は独身だから割合簡単に動けると思うがどうかね。勿論、支店長だから、課長を飛び越えて、営業部長補佐の待遇とするがどうかね。」兎田係長は少し考えてから「それは願ってもない人事ですが、一つだけお願いがあります。私の下で働いている浦島君を私と一緒に神戸支店に人事していただければ、喜んで赴任します。」

 専務は不思議そうに係長を見ていました。実はこれまでの実績はみんな係長があげた物と幹部達は考えていたのです。

 係長は熱心に亀太郎とのペア-転勤を願いました。とうとう専務は「それほど言うのなら一緒に行って貰っても良いが待遇はどうするんだね。」と聞くと、兎田係長は、私直属の営業課長にして下さい。二人でジャンジャン実績をあげますから、ご期待下さい。」と言いました。専務はこれも異例の人事だがこれまでの兎田係長の営業実績を考えると、承認せざるを得ませんでした。

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