ぼろぼろの神戸支社2

 毎日、目覚ましい実績が上がるのでみんな大喜びで、次には係長達が同行を希望し、係長達が実績をあげると、各班の班員達が我も我もと、亀太郎に同行を願いました。

 最低の実績に甘んじていた神戸支店は全国でも有数の実績をあげる支店に変身しました。

 ある夜、亀太郎は浜辺へ出てくらい海を見ながら、海帝陛下にこれまでの報告と、助言をいただいたお礼を申し上げようと思って念じていました。

 すると亀が現れ、「お待たせしました。亀太郎さん海帝国へ行きましょう。」

 海帝陛下の謁見へ入ると、そこには亀太郎の海帝国での妻も呼ばれていました。

 陛下は、亀太郎の報告と感謝の辞を聞くとゆっくり頷いて、「このたびお前の妻を地上へ送るから、地上にも家庭を築け。地上へ帰ったら、支店長と相談して、女子社員を募集せよ。応募者の中にお前の海帝国で連れ添った私の娘と、兎田支店長の配偶者となる女性を入れておくから、他の女子社員と一緒に二人を採用すればよい。半年か1年後に結婚して家庭を営むようにするがよいぞ。」と言われました。

 久しぶるに会う亀太郎の妻はすっかり若返って、新婚当時と少しも変りません。

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