兎田専務誕生

 その後2年が経過しました。神戸支店の営業成績は上がり、兎田支店長は実績をあげてきた事が、本社で高く評価され、東京本社営業担当の専務とした栄転することになりました。

 それに伴って亀太郎は神戸支店長に任命されました。

 いよいよ兎田支店長が専務として赴任する直前、彼は、亀太郎に打ち明けました「亀太郎、この際二人で同時に結婚式をあげてはどうだろう。君と海山夢子さんが非常に親しいのをみんな良く知っているし、俺は石田さゆりさんと親しくしているのを知っているだろう。二人とも2年前の採用試験で俺が見つけた宝ものだぜ。俺の方は話は決まっている。東京へ行く前に結婚式をあげて、一緒に新しい出発をしたいんだ。」

 亀太郎は告白しました「支店長実は海山夢子さんとは海の中で夫婦になった間柄です。それも夢か現実か全くわからない関係です。この際、合同結婚式をやりましょう。社長にお願いして、二組の仲人をお願いしては如何でしょうか。」それを聞くと兎田支店長は電話に飛びついて、東京本社の社長室へ電話しました。

 兎田支店長と浦島課長の活躍で神戸支店が一躍全国の希望の星となったことを喜んでいる社長は、その話を聞くと喜んで二つ返事で引き受け、夫婦で神戸まで行くから式の日取りを伝えてくれと言いました。

 兎田支店長と浦島課長は通常勤務の終わった後大忙しで結婚式の準備にとりかかりました。亀太郎には親兄弟もおらず、親せきもあまりいません。社宅の水槽の中にいる亀が唯一の親族かも知れません。しかし、しいて言えば海帝帝国にいる子供達と、海帝陛下を頂点とする皆様みんなが親族でしょう。しかし地上の結婚式に招待することは出来ません。

 それに引き替え兎田支店長には、山形県の故郷にいる親せきや、学生時代の旧友達合わせて三〇〇枚以上の人に招待状を出しました。

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