作戦会議

   四人が今日の事を話し合っていると、やがて、太郎が帰ってきました。四人は、お爺さんの家で今日起った出来事を話しました。

 すると大二郎が言いました「あんな奴らみんなかみ殺してやっても良いと思ったんですが、三津子がよせというので黙っていたんですよ。今度来たらただでおかないつもりですよ」と言うと、太郎が「人間をかみ殺したり、噛みついたりしたら、お前自身が捕まえられて殺処分されてしまうんだから乱暴な手を使わずに相手を懲らしめる作戦を練らなければならないよ」と言いました。

 すると三津子が「お爺さんが警察に相談している電話を横で聞いていたんだけれど、はっきりとした証拠物件があれば家宅捜索も出来るし逮捕状も取れるけど、今のところ、鬼島興産はむしろ優良な会社という評価が強くて手を出せないと言っていましたよ。それに青木一郎代議士も後ろ盾になっているようですから。」と付け加えました。

 三四郎は、今日鬼島興産で見てきた様子を報告しました。  貴一郎は、一寸見えた会長の机の引き出しの中に小さな拳銃のような物があるのを見つけていました。  貴一郎が言いました「三組の九人みんなが出かけて会長と二人の銀ネクタイが残ったころに四人で忍び込んで何か証拠を探せばいいですよ。三人はどこからでも入れるから大二郎だけ玄関から上手く入れればいいとおもいますよ。」すると三四郎が言いました。「ここは太郎さんの出番ですよ。鬼島興産のすぐ上の階に田中哲三さんという人が住んでいます。僕は今日忍び込んで名刺を一枚もらってきました。太郎さんがこれを持って二階の鬼島興産へ行くって、戸を明けて貰って、名刺を出して『こちらに田中哲三さんはおられませんか』と尋ねるんですよ。ドアが開いたら出来るだけ長く話して下さい。その間に大二郎が滑り込んでしまえばいいですよ。」

 太郎は「これは名案だ。早速明日実行しよう。会社へは営業に出るからと連絡しておくから大丈夫だ。お爺さんの所へ鬼島興産の連中か来ないうちに証拠を集めて、警察へ出してしまえば良い。」と言いました。  作戦会議の内容をお爺さんに報告しました所、お爺さんとお婆さんは大喜びです。  「それじゃあみんなの出陣のために吉備団子を作っておきますからね。持って行って下さいよ。」と言いました。  みんな大喜びです。