翌日の新聞

 翌日の新聞には「鬼島興産社長他十一名逮捕・青木一郎代議士への贈賄疑惑も」という記事が大きく出ていました。  それを見た太郎達は、これで良かったと思いました。  すると、お爺さんがやって来て、「有難う、お陰で助かったよ、友人の借りたお金と法定利息は私が払って、友人を助けてあげることが出来ますよ。それから、一寸残念だけれど家が出来たので、そちらへ移ることになります。本当に有難う御座いました。」と言いました。

 五人は、「えっ、もうお別れですか」と言いました。するとお爺さんは、今度建てた家には老人二人には大きすぎる、部屋数があるので太郎さん二階に住んでくれませんか、勿論四人も一緒に来て貰いたいのですよ。庭があるから大二郎くんは広々した庭でのんびり出来るし、貴一郎くんも庭の木の間で遊べるし、三津子さんも三四郎くんも家の中と外を自由自在に動き回れますよ。是非、来てくれませんか。」と頼みました。  太郎は四人の顔を見て「どうする」というとみんなは声をそろえて「行きましょうよ、太郎さんの職場も夕陽の丘のお爺さんの家からの方が近いじゃあないですか」と言いました。

 そんなことがあって、お爺さんとお婆さんの新築なった家で一緒に暮らすことになった太郎と、雉の貴一郎、大きな犬の大二郎、猿の三津子、猫の三四郎は、一週間後に夕陽の丘のお爺さんの家へ引っ越していきました。  夕陽の丘公園では早朝お爺さんお婆さん太郎それに四人の仲間が楽しそうに話ながら散歩していたそうです。  勿論皆様には三人と四人の動物たち、一羽と三匹が三人と話している内容はわからないでしょう。  これは少し昔の話なので、今もみんなで散歩しているかどうかは解りません。

 是非、早朝、夕陽の丘の大きな公園へ行ってみて下さい。もしかしたら七人連れの不思議な仲間に、出会えるかもしれません。  その時には「お早う御座います、今日も良い天気ですね。」と言って下さい。  その日は本当に良い日となりますよ。  次回の最終章に続く