何が何だか解らない

 鬼岩興産ではみんなが帰ってきたとき、会長が今日起った一部始終を説明しても誰も理解できませんでした。雉を取り逃がしたテレ隠しに言っているのではないかと疑いました。  また会長が金庫を調べてみると、お金には異常がありませんが大事な書類がなくなっています。  会長が独り占めするために書類を隠したのではないかと疑う者も出ました。  会長は、何となく変な雰囲気を何とかしようと思って、「具材はそろってるから、鳥を買ってこい。今日は鳥鍋だ。」と言うと、青ネクタイが一人が走って行って鶏肉を買ってきました。

 彼らが賑やかに、鳥鍋をたのしんでいるとき、ドアがノックされ、「赤宿警察です。ドアを開けて下さい。」という声がしました。黄色ネクタイの男が立ち上がって、ドアを開けると十数人の刑事達がドヤドヤと事務所に入り込んできて、先頭の刑事が「鬼島大蔵。銃刀法違反と不法金融取引禁止法違反で逮捕状が出ているので、連行する」と言って素早く会長に手錠をかけました。   鍋の周りにいた社員達は、ポカンとしています。すると刑事が、その一人一人の罪状を書いた逮捕状を示し、鬼島興産の一二人全員が逮捕されてしまいました。