亀との再会海の散歩

  亀太郎は日の出前から、浜辺に座っていました。此処で、海に放した亀が現れるなどと言う事は少しも考えていません。

 ただ海を見ていると、いろいろな日頃の悩みが消えていくのです。

 日が昇り始めたころ、海の水が急に盛り上がると、大きな海亀が現れました。

 亀太郎が「お前はゴンザか」と聞くと、大きく頷いて、「あなたのお陰で、今は、海神大王様の大宮殿で幸せに暮らしています。亀太郎さんを一度は、海神大王様にご紹介したいと思っていました。海神大王様も是非会いたいと言っておられます。それで、今日は是非、海神大宮殿へお連れしたいと思います。私の背中に乗っていただければ、良いのです。」亀が言うと亀太郎は亀の背中に乗ってみましたが、「水の中で息が出来るのかね。私は泳げないよ。」と言うと亀は「心配有りません。私の背中に掴まっていれば、天海大宮殿までご案内しますよ。」と言うのです。

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