海帝陛下に謁見

 目もくらむような大きな宮殿の一番上に二つの光りがありました。亀太郎は、それを見上げると、声が聞こえてきました。

 「浦島亀太郎君よく来てくれましたね。私たちは、あなたの来るのを待って居たのですよ。さあ此処まで登って来なさい。あなたに相談したいことがあるから。」と最も高い所にいる人が言うのです。

 亀太郎が、驚いているとさっきそばにいた大きな人が亀太郎を抱えて、あっという間に壇上に連れて上がりました。

 亀太郎が、海帝陛下に挨拶すると、「君は、私の大事な子供の海亀を助けて養い、海に帰してくれたこういう人間が地上にいれば良いと思ったが、君を、海天宮の姫の婿に迎えたいので、あの亀を送ったんだ。出ておいでお前の理想の相手がみつった。」と海帝陛下が言うと、美しい乙女が現れました。

 亀太郎は、何が何だか解らず、呆然としていました。

 海帝陛下が言いました「君は死にそうな海亀を助けてくれた。そう言う心が素晴らしいのだ。私の末娘の婿になってくれ、よければ明日、盛大な婚礼式をあげよう。これは君の判断によるのだが。どうするね。」

 亀太郎は、お姫様を見た途端、他に何も見えなくなっていましたので「あいわかりました。海帝陛下の御意に従います。」と言って、低頭しました。それで全ては決まりです。

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